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内装工事の見積金額を下げる方法はありますか?

すべてのみなさんが、工事金額をできるだけ安くしたいと考えています。

施工会社が見積りをしっかりと作成するためには、みなさんが想像している以上に労力と時間を要します。

それでは見積金額を下げるために、クライアントが出来ることとは?

見積金額を下げるためにすべきたった1つのこと

それは見積期間を十分に取ることです。

見積期間が短いと見積り金額が高くなる

見積期間が短いと、なぜ見積金額が高くなってしまうのでしょうか。

施工会社は設計会社からの図面からだけでは読み取れない情報を得るために現地調査を行います。見積期間が短い場合は、この現地調査を十分に実施できない可能性があります。時間があればより現場に近い専門業者と一緒に物件を見ることができますが、そうでない場合は施工会社が自身の分かる範囲で見積を出さなければいけません。

また見積期間が短ければ不動産の都合で、物件を見ることができない場合もありえます。そうすると最悪の場合、施工会社は過去の経験をもとに図面上の情報だけで見積書を作成しなければならないのです。

施工会社は一度出した見積書を取り下げるわけにはいきませんから、赤字物件にならないようにリスクがある場合はそれを見越して、保険として通常よりも少し高めの金額で見積書を作成することになります。

一般的に見積を算出する作業は図面をしっかりと読み込むところから始まります。そこで実際の工事に必要な資材や工事項目を確認していくのです。

見積金額を安くなるためには、施主が求めている工事品質や工法を把握する必要がありますが、そのために既存店舗がある場合などは、まず実際に既存店に行って細部の仕上がりを確認、分析することが欠かせません。

施工会社は必要な工事項目に応じて、各専門業者に見積を依頼します。しかし見積期間が短い場合は、ある程度過去の経験から想定して金額を見積るしかありません。そうするとやはり実際に専門業者に依頼する際に赤字がでないように少し高めの見積となってしまいます。

また優良な専門業者は他社からも引っ張りだこで、タイトなスケジュールの依頼は断ることもあるでしょう。つまり急な依頼に対応できる会社は、質が高くないことも考慮しなければいけません。

適切な見積期間とは?

見積の作成には最低でも1週間はかかると言われています。それよりも期間が短かったり、繁忙期で他の仕事が重なってしまったりすると、図面の詳細部分まで見る時間が足りず、不測の事態に備えてリスクを費用として見積に計上することになります。施工会社も複数の仕事を抱えているため、リスクを減らすために見積を出すのであれば、実際には基本設計図が完了後、最低2-3週間程度は必要となるのです。

それでは店舗の見積を依頼された施工管理会社は、どのような手順で見積を作成しているのでしょうか。実際にかかる工数とともに、詳しい手順を見ていきましょう。

物件状況と図面精査:3~5日

物件の状況や設計図面をもとに、必要な工事を洗い出し、各工事に必要な材料とその数量を計算していきます。必要であれば設計者や施主に質問をして、詳細の部分を詰めていきます。

専門業者に見積り依頼:6~12日

この時にメーカーへの問合せが必要な場合は、さらに時間がかかります。特に土日はほとんどのメーカーは営業がストップしてしまいます。

社内調整:2~3日

各工事項目の原価に自社の利益を加えて見積を作成していきます。最終的に見積が完成したら社内承認をもらい完成です。

見積り提出

成した見積もりを施主に提出します。

既存店舗がある場合は、上記の見積もり期間を少しでも短く、かつ見積金額の高騰を最小限に押さえる方法として、過去図面や見積書の情報提供すると新たに見積書を作成する上で非常に有効です。

見積金額を下げるためには、施主が求めている工事品質や工法を施工会社が把握する必要があります。それらの情報は、今まで出店してきた店舗が作られた際の図面や見積書に集まっているのです。それらを参照することで、既存店の分析時間を短縮することができるのです。

また、内装業者には得意な分野と不得意な分野があります。これらも見積金額に大きく影響を及ぼします。
得意な分野の内装工事であれば見積金額を下げることができますが、逆に苦手の分野の内装工事であれば見積金額は上がってしまいます。

例えば木工造作が多い場合であれば、木工工場を持っていたり見積金額を安く抑えることができます。また大工さんや塗装の職人を自社で抱えていれば、一般的に多くかかる人工代を安く抑えることができるのです。

ただどのような会社が何を得意としているのかは、一般の方が読み取るのは難しいでしょう。そんな時は弊社のようなデザインプロデュース会社で工事内容にあった業者を紹介し利用することがお勧めです。

大前提として頭に入れておかなければいけないのは、いくらプロでも図面上から全てを把握するのは難しいということです。時間がなくて聞けなかった不明な点や現調できなくて見ることができなかった点は、リスクとして見積にのってしまいます。そうすると結局は見えない形で施主が負担することになるのです。

こうした事態を避けたいならば、適切な見積もり期間を提示することです。それが内装工事の見積金額を下げるたった1つの方法です。

内装工事を依頼する際はついつい費用ばかり気にして激安業者を選びたくなってしまうことがあるでしょう。しかし実際には激安業者というのは幻想に近く、結果的に互いに不幸な結果をまねきかねないのです。

内装業者を選ぶ際は「格安価格」ではなく「適正価格」を求めるようにしましょう。

内装工事が常に格安になることはありえません。格安を主張している内装業者に多いのが、なんらかの特別な理由で偶然安くおさまった見積金額を「坪15万でできました!」というようにホームページ上等で宣伝するパターンです。

そういった事例を誇張することで「自社なら安くできます」ということをアピールして、集客につなげようとしているのでしょうが、これは施主にとっても内装業界全体にとっても非常に悪い結果をもたらすことになります。

内装業者に対して完全に同一の図面内容で複数の会社に見積を依頼した際に、金額に極端な差が出ることはあまりありません。しかし施主側は安くできた際の金額が頭にあるため、この内装業者に頼めば安いと刷り込まれています。そしていざ内装業者が適正な見積を提出したとしても、施主は金額を高く感じてしまいます。

結果的に施主にとっても内装業者にとっても納得感の得られない結果となることが多く、互いに信頼関係が生まれなくなってしまい、その結果いい仕事も出来ず、クレームばかり残ることになってしまいます。

※注)上記は工事を施工監理会社に依頼する場合の見積もり期間および考え方です。クライアント自身で業者個別に分離発注される場合は、工事金額は監理会社への経費分下がりますが、段取り等の労力、全体工事期間の長期化など、デメリットがありますので一般的の方へはオススメしておりません。